2019-01-01から1年間の記事一覧
『悪い。遅れそう。』 仕事の隙を見て急いで送ってきただろう短い文。間に合わないかもしれないという落胆よりもその気遣いが嬉しくて、なんだかにやけてしまう。 『大丈夫。予約の時間になっちゃうから、先にお店に向かってるね。』 お店のサイトのリンクと…
細い月が桜を淡く照らしている。今夜の任務は何事もなく完了した。 ターゲットは悲鳴をあげる間もなく、首を切られ即死した。真っ赤な刀身の日本刀・蜥蜴丸には、また別の赤が付着してしまった。黒いローブにも目立たないが、まだ乾いていない赤い血がこびり…
アイリス Iris 誠次が父から幼い頃に貰った、エメラルドの指輪に宿っていた風の精霊・シルフィード。 気まぐれで嫉妬深くいたずらが好き。誠次に好意を持っているようで、彼に気がある者には容赦なく攻撃をし、怒ったり驚いたりするのを馬鹿にしている。 人…
成宮誠次 Narimiya Seji 名桜中学校1年4組の明るく熱血漢なクラスのムードメーカー。他人の気持ちに敏感で、一人になっている子を放っておけない世話焼きな面があり、明とはそうやって構っているうちに仲良くなった。 芒とは反りが合わないのか、喧嘩するほ…
黒羽 Crow 秘密結社・彩華の殺人部隊の「赤」の部隊、断切百々の率いる人形隊の一員。 普段は優しく温厚な性格だが、任務時には悪辣で情緒不安定な殺人鬼に変貌する。 明と真琴のことを何かと気に掛け、相談に乗ることもしばしば。また、白の研究員の水樹則…
精霊が体よりもかなり大きい紫の花を引っ張っていた。 食べたいのか?と聞くと首を振った。精霊は花を指差してから、自身を指差す。つまり。 「この花はお前なの?」 嬉しそうに首を縦に振った!正解だ! これは確か、前に希望が教えてくれたあの花に違いな…
あの反乱で彩華のアジトから逃れたオレは、非現実的なあの空間から都会の街並みに放り出された。 そして約9年の時を経て、大きく変貌した世界を目の当たりにした。 歩いている人のほとんどが、前にシュルムが「携帯電話のすごいやつ」と説明していたスマート…